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A.ランゲ&ゾーネ創業者に捧げる175周年記念モデルの凄味とは?

ブルーの針が、スプリット秒針。ムーンフェイズのディスクには星が手彫りされる。限定50本。 ケースサイズ:43㎜ ケースの厚さ:16.6㎜ ケース素材:18Kハニーゴールド ストラップ:アリゲーター 巻き上げ:手巻き 搭載キャリバー:Cal.L133.1 防水性能:3気圧 振動数:毎時2万1600振動 パワーリザーブ:約36時間 ムーブメントのパーツ数:684個 石数:52石 ムーブメントの直径:32㎜ ムーブメントの厚さ:10.9㎜
価格:参考価格50万ユーロ(ドイツVAT19%含む)
問:A.ランゲ&ゾーネ
TEL:03-4461-8080

新生ランゲの革新を盛り込み創業者にオマージュを捧げる
東西冷戦に翻弄され、休眠を余儀なくされたA.ランゲ&ゾーネは、1990年に再興を果たした。そして1994年、新生ランゲ初となる4モデルを発表。その中の1つに、ランゲ トゥールビヨン“プール・ル・メリット”があった。ロレックス サブマリーナその名の通りトゥールビヨンを備え、それを鎖引き機構で駆動する超複雑時計である。香箱と円錐滑車(フュジー)とを鎖で連結。円錐滑車により鎖は回転半径を広げながら駆動伝達し、テコの原理も応用しながら香箱からのトルクを均一化する。新生ランゲは、 懐中時計時代の高精度機構を腕時計で実現 してみせた。2005年には、これにスプリットセコンド・クロノグラフ(ラトラパンテ)を搭載。2017年には、さらに永久カレンダーまで組み込んだ。

このトゥールビヨンと鎖引き機構、クロノグラフ、ラトラパンテ、永久カレンダーの5つの複雑機構を兼ね備えるCal.L133.1が、創業175周年の記念モデルとして、新たな外装に搭載された。

スプリットセコンド・クロノグラフ機構は裏蓋側に集約。 2つのコラムホイールが備わる キャリングアーム式の水平クラッチによるメカニズムは、造形的にも極めて美しい。永久カレンダー機構は、ダイヤル側にトゥールビヨンを避けるようにコンパクトに構築。そして深夜0時をまたいでクロノグラフを作動させてもカレンダーの切り替えが計時に影響を与えない構造が、双方に与えられている。永久カレンダーのモジュールを重ねた分、トゥールビヨンの設置位置が奥まり、それをダイヤル側で支える ブリッジが弓なりにカーブ しているのが目を惹く。12時位置には、122.6年で1日分の誤差しか生じない高精度ムーンフェイズが備わる。

渾身の複雑機構を包むケースは、既存の18金より硬いランゲが専用使用権をもつハニーゴールド製。ブラックロジウム仕上げのダイヤルも同じ素材を用い、数字や目盛りを浮き彫りにした凝った造作になっている。


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