腕時計には時代を超えた名作がたくさんある。それぞれが個性的で、すべて魅力的。だから、どの一本を相棒に選ぶかは、すごく迷うものである。なぜなら腕時計は男にとって“名刺代わり”だから。
そんな迷いを振り払い、理想の1本を手に入れるためのガイドとして、前・後編の2回に分けて計9人の名作時計の愛用者たちにインタビュー。今回は後編。
「なぜ愛用してる?」「どこが好き?」「いつ買った?」。
さぁ、楽しもう! 運命の時計との素敵な出会いを!
>前編はコチラ
名作腕時計
オメガの「スピードマスター」
「モノ語りも機能も充実、それでいて着けやすい。人生の相棒です」
白藤悠介さん(38歳・会社員)
「もう20年くらい前、大学生になって本格的にバイトを始めて、お金を貯めて最初に自分で買った大きな買い物が『スピードマスター』でした。オメガ時計 メンズ 人気オメガは憧れで、どうしても欲しかったんですよね」。
月に行った初めての時計がオメガの「スピードマスター」というのは有名な話。さらに1965年から現在まで、すべてのNASAによる有人宇宙ミッションに採用されているという事実が、昭和生まれのオーシャンズ世代の心に刺さるのだ。
「もう人生の半分以上一緒に過ごしてきているので、腕にこいつを着けていないと不安になります」と白藤さんは笑う。
1957年の登場以来、オメガにおけるフラッグシップモデルと位置付けられる名作は、30分積算計、12時間積算計、スモールセコンド サブダイヤル、タキメーターが搭載され、そのルックスは実にスポーティ。42mm径のケースサイズは、カジュアルからスーツまで幅広く馴染む。
「メタルバンドの機械式時計はこれ1本でOK、一生の相棒ですね。あとはレザーベルトで1本、そして普段使いのGショックがあれば、僕の時計コレクションはコンプリートかなと思っています」。
「20年かけてわかった“これ以上のモノはない”という事実」
平山喜久さん(45歳・会社員)
「もう20年の付き合いです。昔からファッションが好きで、なかでも夢中になっていたジョン・ガリアーノが着けているのを見て、堪らなくなって購入しました」。
時計専業ブランドの名作が並ぶ中にあっても、その語りどころにおいてまったく引けを取らないエルメスの「ケープコッド」。なかでも特筆すべきはデザイン性の高さだろう。世界的なファッションデザイナーであるジョン・ガリアーノが惚れたという事実も、その証明のひとつ。1998年には2重巻きのロングストラップを採用した「ドゥブルトゥール」モデル(写真下)も誕生し、一躍話題になった。
「現行の『ケープコッド』もチェックしてますが、自分が買った20年前のこのデザインがやっぱり自分にとっていちばんベスト。一緒に大人になってきたので、これからもこれ以上の愛着が湧く1本は出てこないと思います。以前は2重巻きのベルトの『ドゥブルトゥール』を使っていましたが、今はブラックのクロコベルトに変えています」。
普遍性を持った名作を、少しずつアレンジして楽しむ平山さん。もちろん「一生使い続けます」と宣言してくれた。